プリヤ・カーン

アンコールワット

プリヤ・カーンは男性的


あくまで私の個人的な感想ですが、アンコールワット遺跡群の中でもプリヤ・カーンは最も男性的で荒々しさを感じます。

プリヤ・カーンは仏教とヒンドゥー教の習合寺院で「聖なる剣」が名の由来であるからなのか、若しくはこの寺院を建立したジャヤーヴァルマン7世が戦好きだったからなのか定かではありませんが、とにかくこの寺院の堀を渡る時から既にそんな印象を受けました。

堀に架かる橋の欄干もアンコール・トムのような阿修羅像よりも更に屈強にしたように感じます。
ナーガ(インド神話の蛇神)を綱引きのように持っている像が他とは異なり、阿修羅(インド神話の鬼神または仏法の守護神)というよりも戦士そのものに見えるのです。

例えば東洋のモナリザと言われているデバターがあるバンテアイ・スレイはどう見ても女性的で柔らかい雰囲気を醸し出している印象を受けますが、それとは正に対照的です。
同じシェムリアップの寺院遺跡といってもこれほど印象が違うのですから、どちらも見る価値は高いと感じます。

東西800m、南北700mの広さがある境内の周りには水堀が巡らされ、当時その中心の寺院には1000人以上の僧侶が住んでいたのだそうです。
現在寺院以外の敷地はジャングルと化していますが、おそらく当時は環濠集落(かんごうしゅうらく)として多くの人で賑わっていたであろうと想像できます。
 
彫像の盗難などによる損壊が大きいプリヤ・カーンは今も修復が行われていますが、名の由来である「聖なる剣」も実際に存在し、今はプノンペンの国立博物館に収められているようです。

親切心かと思えばチップを要求
プリヤ・カーンの中心付近で国の仕事をしているような制服を着た人(実際は分からない)に「写真を撮ってあげようと」と言われお願いするとチップを要求されました。
チップを渡すと「これでは少ない」と言われました。
カンボジアではこのような事も珍しくはないようですが、チップ文化のない日本人にとって金額には関係なく嫌な気持ちになるものです。
このような時はハッキリと断り、撮ってほしい時は自分からお願いする方がよさそうです。

方向を見失わずに見学する
アンコールワットの遺跡群はほとんどジャングルの中にあるので、入り口付近は同じような景色に見えます。
そして遺跡は四角形のものが多く、ほぼ東西南北に面しています。
道路の状況や見学経路によっては入り口と出口を変えた方が効率よく見学できることもあり、トゥクトゥクの待ち合わせ場所を変えることもよくあることです。
プリヤ・カーンもニャック・ポアンの後見学するなら北門から入り西門へ出るのがいいでしょうが、その場合は寺院中心部にある小さな塔を目印に東西南北を意識しておくことがお勧めです。

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